【石油メジャー株】原油価格の暴落の経緯を簡単にまとめてみた【初心者向け】

株式投資
この記事は約9分で読めます。

中流層のみなさん、こんにちは。むたろうです。

「収入は平均くらいですが、会社が嫌いなのでセミリタイアしたい」をコンセプトにブログを書いています。

現在(3/19)原油価格が大幅下落しており、WTI原油先物価格が20ドル台に下落するなど、18年ぶりの安値となっています。

そのせいで(おかげで?)私の保有する石油メジャー株たちも購入価格から半値近い価格となるなど、含み損拡大に大変な貢献をしてくれています。

石油メジャー株安くなってるから買い増したい!けど、原油価格と連動するっていうし・・・。原油価格はどうして下がっているの?

こんな人のために、原油価格暴落のニュースが多少わかるようになるためのポイントを簡単にまとめてみました。

「そもそもWTI原油先物価格って何?」というところから今までのOPECプラスの動きまで、知っていることや最近ニュースなどで知ったことを書きましたので、石油メジャー株をお持ちの方は読んでみてください。

そもそもWTI原油先物価格とはなにか

WTIとは

ウェスト・テキサス・インターミディエイトの略で、西テキサスで採れる高品質の石油のこと

インターミディエイト(中質)という名前ですが、硫黄分が少なくガソリンや軽油の精製量が多い軽質油です。石油は硫黄分が少ない軽質油の方が精製がラクで、環境にも優しいようですね。

このWTIという石油の先物がニューヨークのマーカンタイル取引所(NYMEX)という先物商品取引所で取引されており、その取引価格がWTI原油先物価格となります。

このマーカンタイル取引所での取引は、市場参加者・取引量・流動性・透明性で他を圧倒しており、そのおかげでWTI原油先物は原油価格の主要指標として使われています。

他にも三大石油指標としては、ヨーロッパの北海ブレント石油先物中東のドバイ原油がありますが、他の指標にも影響を及ぼすほどWTI原油先物は大きな影響力を持っています。

簡単に言えば「アメリカ国内で採れる石油の先物の値段だけど、世界中で多くの人が公正に取引してるから、これを指標にして参考にしよう」ということですね。

このWTI原油先物価格が18年ぶりの安値をつけ20ドル台に下落したと報じられました。

ちなみに北海ブレント原油も26ドル前後、ドバイ原油も29ドル前後と下落しています。

なぜWTI原油先物が下落したのか

もともとは、アメリカ国内で採れる原油の先物価格なので、アメリカ国内の需給の影響を大きく受ける指標です。

石油精製会社で事故が起きたり冬が寒かったりすれば、在庫が減るので価格が上がります。 逆に暖冬でみんなが暖房を使わないと在庫が余るので価格が下がる、といった具合です。

ですが、今回の下落はアメリカ国内の要因ではなく、OPECプラスでサウジとロシアが協調減産をめぐって喧嘩したことによる世界石油市場全体の影響を受けた結果です。主要な指標ですから、世界情勢の影響を受けることは仕方ないのかもしれません。

ただ、世界情勢の影響と言っても「価格」ですから、原油の需要と供給によって決まってくるということを初めに頭に入れておいてください。

大幅下落までの流れ

2016年

2015年ころから、アメリカのシェールオイルの生産が堅調だったり、ロシアなどの非OPEC国が原油を増産したことで世界的に原油が供給過剰となりました。それまでは原油価格が高かったので、作れば作るほど儲かるわけですから、そりゃみんな石油掘りますね。

その結果、供給過剰となり、市場の原理によって原油価格が下がり始める。当たり前や!

そこで2016年末に、OPEC(サウジとか)と非OPEC主要国(ロシアとか)が協調して、「みんなで石油を掘りすぎるのをやめましょう。そうすれば在庫が解消されて価格が戻るでしょう。」ということで、2017年1月から6か月間減産することで合意しました。

2017年

2017年中旬ころから原油価格はやや上昇しました。

供給サイドでは2017年前半の協調減産の結果、供給量が減りました。

需要サイドではグローバル経済の景気拡大と重なったことで、需要が増大しました。

みんなで協力して減産して供給量を減らしたら、(たまたま)景気も上向いて原油の需要も増えたので価格が戻ってきたよ、ということです。

2017年末には60ドル近くまで価格が戻りました。さらに減産合意は2018年末まで延長となりました。

2018年

2018年の原油価格はゆるやかに上昇して、10月に75ドル近くまで価格が上昇したのち、そこから急落しました。

このころちょうど株価も下落しましたが、原因は米中貿易摩擦の激化ですね。

それによって中国経済が低迷し、原油の需要が落ちるのではないかとの観測から、45ドルくらいまで一気に落ちました。

さらに協調減産(2018年6月頃に増産OKになっていた)が終わったあと、また産油国はじりじりと生産を増やしてきていました。それも下落に拍車をかけました。

ですので、2018年末にまた、OPEC(サウジとか)と非OPEC主要国(ロシアとか)が協調して、2019年1月から6か月間減産することで合意しました。

2019年

協調減産の成果やイラン原油の禁輸措置によって供給サイドが引き締まったため、2019年中旬頃には65ドルあたりまで価格が回復しました。イラン原油の禁輸措置とは、イランの核開発や人権問題に対して国連や企業が行っている制裁の一種で、イランで採れる原油を輸出できなくするものです。そのため、原油の供給量が減ると思われ、価格上昇の要因となりました。

2019年7月には、さらに9か月協調減産を延長することに(2020年3月末。ちょうど今です。)

その後は50ドル台付近をウロウロしていましたが、12月にOPECと非OPEC主要国(合わせてOPECプラス)はさらな減産拡大で合意して、サウジにいたっては自ら追加で減産することにしました。

また、このころアメリカと中国の関税掛け合いの喧嘩も収束の兆しが見えたため原油価格は上昇し、60ドル付近まで上昇して2019年が終わりました。

・・・そして2020年に

2020年当初、アメリカとイランが戦争になりそうだ、ということ需要の拡大が見込まれ価格はさらに上昇しましたが、結局、戦争は回避され価格が下落

さらにコロナウイルスが中国で流行し始めたことで、グローバル経済に悪影響を及ぼし需要が減少するのではないかと思われ始めたことから50ドルを割りました。

こんな状態ですから、2020年3月に期限を迎える協調減産の延長が見込まれていたのですが・・・

3/5のOPECの会議では追加減産が合意となったのですが、3/6の非OPEC主要国も合わせた会議でロシアが追加減産をまさかの拒否!!!!ロシアの考えとしては、このまま原油を減産し続けたらアメリカのシェールオイルにシェアを奪われてしまう、ということみたいです。

このロシアに対して、OPECのリーダーとして協調減産を推し進め、自ら追加減産までしていたサウジアラビアがブチギレ。「もう知らない、原油バンバン増産してやる!!」ということで交渉決裂。

逆にサウジアラビアが他のOPEC構成国、ロシア、アメリカに対して価格競争を持ち込み、シェアを奪う作戦に変えたことで決裂したという見方もあるようです。

とにかく、コロナウイルスが世界中に感染拡大し、需要の見込みがどんどん落ち込む中で、供給サイドでは減産拡大が交渉決裂。減産延長すらままならず、逆に増産宣言ということで、供給がどんどん増えることが見込まれました。

これにより価格は急落して45ドル付近から一気に30ドル割れまで落ち込むこととなりました。

その後も、コロナウイルス感染拡大のため世界各国は渡航制限や移動制限、スポーツイベントの中止など原油の需要が落ち込むような対策を相次いで打ち出しました。

交渉決裂の原因となったロシアが、「OPECとの協力を選択肢から排除しない」と言うなど歩み寄りの気配を見せましたが、サウジアラビアはガン無視と、サウジアラビアはかなり怒っているようです。

まったく現状が好転する兆しが見えないことで、原油価格は20ドル台まで落ち込んで18年ぶりの安値をつけました

2020/3/25以降の状況

各石油メジャーは原油価格急落を受けて、設備投資の大幅削減・生産量の調整・自社株買いの停止を発表し、守りの態勢に入りました。ロイター記事で確認できるだけでもシェブロン、ロイヤルダッチシェル、エクソンモービル、BPなどです。

そんな中、生産コストの高いアメリカのシェール企業中堅、ホワイティング・ペトロリアムが 4/2に破綻。

肝心のWTI原油価格については、アメリカの2兆ドルにおよぶ経済政策を好感し上昇するかと思いきや、都市封鎖などにより一層需要が落ち込むとの見通しから、3/31には19ドル台にまで下落。

このような状況の中で、トランプ大統領はサウジ・ロシア両国に働きかけ、再び協調減産がされるよう動いていました。

ただ4/1には、協調減産を終了したサウジがアメリカの圧力に負けず増産したとのニュースもありました。

しかし4/2、トランプ大統領は、サウジとロシアの間を仲介したことを明かし、両国が日量1000万~1500万バレルの減産に踏み切る可能性があるとの見通しを示したためWTI原油価格は大幅に上昇。

27ドル付近まで値を戻しました。

今後の見通しとまとめ

サウジとロシアは、いまだにこの混乱はお互いのせいだと主張してるようです。

しかし、この原油価格では誰も得しないという発言もあるようで、来週あたりには新たな協調減産の合意がなされるのではないかと期待されています。

OPECはさらに、今回の協調減産を成功させるにはOPECとロシア以外にも、世界最大の産油国アメリカ、カナダ、ノルウェー、ブラジルなどその他の産油国の協力も必要だとして、OPECプラスにさらに加えて世界的な協調減産の体制を構築すべきと主張しています。

しかし、アメリカ政府は国内のエネルギー企業に対し、生産量を調整するよう要請はしないとしています。

アメリカの反トラスト法がカルテルを禁止していて、OPECと合意することはカルテルに当たるという考えのようです。

今後はアメリカが仲介した協調減産にアメリカ自身がどのような態度を取るのか。それに対してサウジやロシアはどのような反応をするのか、というあたりが世界的な協調減産が合意されるかどうかのポイントとなりそうです。

ですが、たとえ協調減産合意となったとしても、それはあくまで供給サイドの話です。コロナウイルスによって需要サイドがメタメタになっている現在の状態では減産交渉再開されたとしても原油価格の急回復とはいかないと思います。

原油価格が下がることでガソリンなどは安くなるかもしれませんが、石油メジャーの株主にとっては株価暴落や減配の可能性など、心配が絶えません。

ということで、今後も原油価格のニュースには注目していきたいと思います。

簡単にまとめましたが、原油関係ニュース初心者の方に参考になれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました